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2009年10月 アーカイブ

2009年10月03日

映画「戦場でワルツを」

戦場でワルツを

アカデミー外国語映画賞ノミネート作品、いよいよ日本公開。

監督の自伝的映画をアニメーションで描く。

彼の抜け落ちた記憶を探る旅。

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【みどころ】
映画監督のアリは、旧友に夜毎悩まされる悪夢のことを打ち明けられる。「これは、過去に自分たちが従軍したレバノン侵攻の後遺症なのだろうか?」

アリは気付きます。「自分には当時の記憶が全くない。」ということに。

抜け落ちた記憶を探し、アリは戦友を訪ねることを決意します。

レバノンで実際に起こった虐殺をテーマにしながらも、ミステリーじたてのストーリー展開に思わず引き込まれます。

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【ストーリー】
冬のバー。映画監督のアリは、旧友とひさしぶりに再会します。26頭の犬に襲われる悪夢に悩まされている旧友の話を聞くうちに、アリはふいにあることに気付きます。

「俺には当時の記憶がまったくない。」「なぜ俺は覚えていない?」
アリは親友の勧めもあって、当時を知る戦友たちを世界中に訪ねていきます。

戦友の話を聞くうちに、アリの記憶は少しずつ蘇っていきます。

はたして、あの時何があったのか、自分が記憶を失うきっかけは何だったのか、次第に明らかになっていく当時の出来事。そして最後に衝撃の結末が。

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【Info】
[原題] WALTZ WITH BASHIR
[監督] アリ・フォルマン

2008年/イスラエル・ドイツ・フランス・アメリカ合作、イスラエル映画/90分
(C) 2008 Bridgit Folman Film Gang, Les Films D'ici, Razor Film Produktion, Arte France and Noga Communications-Channel 8. All rights reserved

10月、シネスイッチ銀座にて公開

映画「ドゥーニャ&デイジー」

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アムステルダムからカサブランカへ――
最高の友達どうしのハートウォーミング ガールズ ロードムービー

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【みどころ】
モロッコ人のドゥーニャと生粋のオランダ人のデイジー。

思春期の女の子の迷い、悩み、母娘の問題、そして文化・宗教の違いから共生に至る道まで。

なんといっても、主人公ふたりがとても魅力的。キュートで表情豊か、そしてナチュラル。

モロッコでのオランダ娘デイジーの言動が、イスラム文化の中で浮きまくっていて笑える。

シリアスな問題も、ユーモラスでポップに描かれているので、共感してしまう。
観終わった後、明るく元気になれる映画です!

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【ストーリー】
厳格なイスラム教徒の家庭で育ったモロッコ人のドゥーニャと、奔放で直情型の生粋のオランダ娘デイジーは、対照的な性格、でも最高の親友同士。

ドゥーニャはお見合いのため、一家で故郷モロッコに帰郷することになり、
デイジーは家を飛び出し、モロッコにいる実の父親に会おうと、ドゥーニャの後を追います。

モロッコで再会したふたりは、一緒にカサブランカ行きのバスに乗り込むことに。

果たしてドゥーニャは、自分の人生をどう決断し、デイジーは父親に会えるのでしょうか?

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【Info】
[原題] Dunya&Desie
[監督] ダナ・ネクスタン
[出演] マリアム・ハッソーニ、エヴァ・ヴァンダー・ウェイデーヴェン、他

2008年/オランダ・ベルギー/102分/
(C)2007 DUNYA & DESIE DE FILM CV
11月7日(土)新宿K's cinemaにてロードショー!他全国順次公開

2009年10月12日

映画「千年の祈り」

千年の祈り

わだかまりを抱えて離ればなれになった親子が、あらためて本当の親子になるまでを描く感動の物語!

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【みどころ】
『スモーク』のウェイン・ワン監督最新作。

妻に先立たれ、北京で一人暮らす父。夫と別れ、アメリカで一人暮らしを送る娘。娘の行く末を心配した父がアメリカを訪れ、親子は12年ぶりの再会を果たします。

でも、食卓に流れるのは沈黙ばかり。

遂にある日、娘に積年の思いをぶつけられた父が、人生の最後に打ち明けた“本当のこと"とは──?

英語のわからない父親が近隣の人々と積極的にかかわる姿がユーモラスで、くすりと笑いを誘います。まるで小津映画の世界のように、静かでしっとりとした情感あふれる映画に、心が温められます。

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【ストーリー】
引退生活を楽しむ父のただ一つの気がかりは、アメリカで離婚して一人で暮らす娘のこと。

互いの幸せを願っていることは間違いないのに、どこまでも平行線をたどる父と娘。

父の最大の目的は、娘の離婚の原因を探り、手遅れにならないうちに再婚を勧めることだったのです。離婚の原因をなじられた娘は、父に対してどうしても許せないと思っていたあることを口にするのです。

人と人の出逢いは、天が定めた運命でもなければ、偶然でもない。すべては、長く深い縁(えにし)の末の必然なのだと、中国のことわざ“百世修来同舟渡、千世修来共枕眠(同じ舟で川に乗り合わせるならば百世もの前世の縁がある。枕を共にして眠るのであれば千世もの縁がある)"は語ります。

タイトルになった「千年の祈り」とはこのことわざから来ています。

見終わった後、このタイトルの意味が深く胸に残る珠玉の名作です。

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【Info】
[原題] A thousand Years of Good Prayers
[監督] ウェイン・ワン
[出演] ヘンリー・オー、フェイ・ユー他

2007年/日・アメリカ合作/83分
(C)2007 Good Prayers, LLC All Rights Reserved
11月14日より、恵比寿ガーデンシネマ他全国順次公開

映画「脳内ニューヨーク」

脳内ニューヨーク

「マルコヴィッチの穴」の脚本家チャーリー・カウフマンの初監督作品。

どん底の人気作家が、人生を再生するため、ニューヨークの中に、もうひとつのニューヨークを作ったら・・・!

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【みどころ】
“マルコヴィッチになれる穴"という発想にも驚きましたが、今回“本物のニューヨークの中にもう一つニューヨークを作ろうとする男"という設定を用意し、観客を現実と虚構が交錯する摩訶不思議な世界に誘います。

『カポーティ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したフィリップ・シーモア・ホフマンを始め、豪華な俳優がわんさか出演します。

周りの世界で何か異変が起こっているのですが、そこが最後まで謎なのであります。

いろんな仕掛けが映画の中にあり、1回ではなかなか味わえないので、何度も映画館に足を運んでしまいそう!

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【ストーリー】
ケイデン・コタードはニューヨークに住む劇作家。平凡だった彼の日常は、ある日を境に変わっていきます。
失敗続きで、人生に嫌気がさしていた彼の元に、マッカーサー・フェロー賞(別名“天才賞")を受賞した知らせが届き、大金と名誉を手に入れた彼は、人生をやり直そうと大プロジェクトを実行します。

それは、理想のニューヨークを巨大倉庫の中に作って、舞台を上演するというもの。自分や恋人や別れた妻を俳優に演じさせて延々とリハーサルが続き、17年もたっても上演されない舞台。

一人の演出家が作りだしたプロジェクトは、彼の人生と共に、想像できない驚愕と感動のクライマックスへと・・・。

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【Info】
[原題] SYNECDOCHE, NEW YORK
[監督] チャーリー・カウフマン
[出演] フィリップ・シーモア・ホフマン、ミシェル・ウィリアムズ、サマンサ・モートン 他

2008年/アメリカ/2時間4分
(C)2008 KIMMEL DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved
配給:アスミック・エース
11月、シネマライズほか全国ロードショー

2009年10月18日

映画「ファッションが教えてくれること」

ファッションが教えてくれること

『プラダを着た悪魔』のモデルとも言われる有名編集長アナ・ウィンター。

妥協を許さない仕事ぶりに見え隠れする、働くことの厳しさと快感。

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【みどころ】
ファション業界のドン的存在のアナを、仕事の面だけではなく、家庭や、家族のことまで人間的な側面も描いているので、奥深いドキュメンタリーになっています。

華やかなファッション業界の舞台と、その裏側にあるハードワーク。アナに振り回されながらも、確実に成長していくスタッフの姿に感動。すべてのワーキンク・゙ウーマンに見てほしい映画です。

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【ストーリー】
アメリカ女性の約10人に1人、1300万人が読む米版ヴォーグ編集長アナ・ウィンター。

2007年、秋のファッション特大号である9月号、締め切り5ヶ月前。一年で最も重要な号の準備に、編集長であるアナ・ウィンターは忙しい。

トレンド傾向を見極め、特集するべきテーマを決め、撮影準備に入っていきます。スタッフから提案される掲載候補の服に対し、有無を言わせずに採用・不採用を決め、重要なブランドの事務所を訪れ、コレクション前の洋服を見てデザイナーにズバズバ意見を言い、まさに分刻みで仕事をこなしていくアナ。

彼女とともに働くスタッフも、アナの要求に応えるために必死です。用意した服やモデルをすべて却下され、大金を使って撮影したほとんどの写真をボツにされ、撮影そのもののやり直しを命じられて、途方にくれるスタッフたち。

しかし締め切りは迫ってくるのでありました――

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【Info】
[原題] The September Issue [監督] R.J.カトラー [出演] アナ・ウィンター、グレイス・コディントン 他
2009年/アメリカ/90分

11月7日(土)より新宿バルト9他にて公開
(c)2009 A&E Television Networks & Actual Reality Pictures,Inc.All rights Reserved

2009年10月25日

映画「イングロリアス・バスターズ」


イングロリアス・バスターズ

鬼才クエンティン・タランティーノ監督とブラッド・ピットの初顔合わせ。

“イングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)"とは何者か?

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【みどころ】
『レザボア・ドッグス』に通じる緊迫感に、『パルプ・フィクション』を思わせる入り組んだ群像劇、そして『キル・ビル』にも似た復讐劇の要素。

ヴァイオレンスありったけだけど、笑えるシーンも満載。まさにタランティーノ映画の集大成。

映画を知り尽くし、誰よりも映画を愛しているタランティーノの美学を感じる映画です。

イタリア人に化けたブラピが、「ゴッドファーザー」のマーロン・ブランドばりの演技をしているのも見もの!

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【ストーリー】
舞台は第二次世界大戦期、ナチスに占領され、多くのユダヤ人が犠牲となっていたフランス。

そのナチスでさえ恐れをなす部隊が、連合軍には存在していた。
その名も名誉無き野郎ども=“イングロリアス・バスターズ"。

この部隊はドイツ軍のプロパガンダ映画をプレミア上映することになった映画館を、新たな標的に定めようとしていた。

ヒトラーをはじめとするナチスの高官が、その夜集うのだ。

一方、この映画館を仕切る若き女性館主ショシャナもナチスへの反抗を目論んでいた。ユダヤ人である彼女は、家族を虐殺されたことから、その復讐の機会を密かにうかがっていたのだ。

またナチス側では、"ユダヤ・ハンター"の異名を取り、ショシャナの家族を殺害したランダ大佐が、抜け目なく不穏分子の存在をつかんでいた。

勝利するのはバスターズか、ショシャナか、はたまたナチスか?

ヒトラーの抹殺、ナチスの撲滅という途方もなく大胆な作戦が進行する中、運命のプレミアの夜が幕を開ける!

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【Info】
[原題] INGLOURIOUS BASTERDS
[監督] クエンティン・タランティーノ
[出演] ブラッド・ピット、ダイアン・クルーガー他
2009年/アメリカ/2時間32分
R15+指定

2009年11月20日(金)より TOHOシネマズ日劇他にて全国ロードショー
(c)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

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